研究課題/領域番号 |
13671298
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神谷 順一 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70194975)
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研究分担者 |
上坂 克彦 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (20283434)
梛野 正人 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (20237564)
二村 雄次 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80126888)
湯浅 典博 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (00303610)
小田 高司 名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (30311715)
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キーワード | 胆管能動的閉鎖法 / 残肝体積増大法 / 胆管内無水エタノール注入 |
研究概要 |
280グラムから310グラムのラット肝を用いた片葉胆管内エタノール注入モデルを作成した。無水エタノール0.2mlを左葉(70%領域)に注入した。この容量は造影剤注入による検討で決定したものである。14日後に再開腹して検討すると、左葉は萎縮し50%未満の重量であった。これに対し右葉重量は1.6倍に増大していた。右葉ではKi-67ラベリングインデックスが24時間後に有意な高値を示し、細胞増殖が亢進していることが示された。分離灌流肝によりエタノール注入14日後のラット肝の胆汁排泄量・胆汁中胆汁酸排泄量を測定したところ、右葉では肝1グラム当たりの排泄量が2倍以上に増加していたが、エタノールを注入した左葉では胆汁排泄はほとんど認められなくなった。エタノール注入24時間後に摘出した左葉を病理組織学的に検討したところ、小葉間胆管の細胞は完全に破壊され脱落し、グリソン鞘周囲の肝細胞も一部破壊されていた。門脈・肝動脈は破壊されず構造がよく保たれていた。14日後では繊維組織と偽胆管の増生を伴うグリソン域の拡大が認められ、肝膿瘍、肝壊死は認められなかった。 ラットの検討では、1回の注入で左葉肝内胆管は完全に閉鎖し左葉は萎縮した。右葉は肥大しており、胆管内エタノール注入は残肝体積増大法として有用な方法と思われる。 臨床においても、肝切除術後に胆汁瘻を生じた1例に本法による胆管閉鎖法を施行した。1回のエタノール注入では胆管は閉鎖せず、胆管が閉鎖し胆汁瘻が治癒するまでには6回(3週間)の施行が必要であった。エタノール注入後には、顔面発赤や発熱、軽度の血液データ異常を認めたが、疼痛はなく大きな合併症も発生しなかった。本法完了後10月が経過しているが、胆汁瘻の再発はない。今後は、少ない回数かつ短い期間で安全に胆管を閉鎖させるように方法を改良する必要がある。
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