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2001 年度 実績報告書

消化管運動調節に及ぼす一酸化窒素(nitric oxide:NO)の役割

研究課題

研究課題/領域番号 13671299
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

藤村 昌樹  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50115771)

研究分担者 山本 育男  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00333443)
藤宮 峯子  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
キーワード消化管運動 / VIP / NO / 十二指腸乳頭括約筋(Oddi括約筋) / NO donor / ニトログリセリン / NOC-12 / NO2^-
研究概要

消化管運動を抑制する調節機構を解明する上で、まずVIPとNOの関係を検討した。方法としては、ex vivoラット大腸血管灌流モデルを用いてVIPを投与した時の大腸運動を内圧法で測定し、同時に腸管組織内のNO産生をマイクロダイアリーシス法を用いて測定した。その結果、VIPとNOが相補しながら大腸運動を抑制することが判明した。その機構としては、VIPが大腸平滑筋上のVIP受容体に直接作用し細胞内でNOを産生させ平滑筋を弛緩させる経路と、NO神経終末上のVIP受容体に作用して神経終末からNOを放出することで運動を抑制する二つの経路が考えられた。
消化管の括約筋部ではNO神経による能動的な弛緩反応が重要な役割を担っていると考えられる。麻酔下の犬の総胆管内にNO donor(NOC-12、ニトログリセリン)を投与したとき、十二指腸乳頭括約筋(sphincter of Oddi)内のNO産生量と括約筋運動への影響を検討した。まず、いずれのNO donorの総胆管内投与でも、括約筋内のNO2^-は増加したが、NO3^-は変化せず、局所のNO産生を評価する際には、NO2^-がNO3^-より有用であった。ニトログリセリンの総胆管内投与でOddi括約筋内のNO2-が増加し、総胆管内圧は低下した。これはニトログリセリンが直接括約筋に浸透し括約筋内でNOを産生し括約筋を弛緩させたことによると考えられた。NO donor投与により括約筋が弛緩することが明らかにされたことは、今後の臨床における新しい治療法の開発につながる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] I.Yamamoto et al.: "Nitric oxide formation in the dog sphincter of Oddi from nitric oxide donors as measured with in vivo microdialysis"Aliment Pharmacol Ther. 14(8). 1095-1101 (2000)

  • [文献書誌] M.Fujimiya et al.: "Neuropeptide Y induces fasted pattern of duodenal motility via Y2 receptors in conscious fed rats"Am.J.Physiol.. 278. G32-G38 (2000)

  • [文献書誌] K Kumano et al.: "Effects of VIP and NO on the motor activity of vascularly perfused rat proximal colon"Peptides. 22. 91-98 (2001)

  • [文献書誌] N.Kihara et al.: "Effect of central and peripheral urocortin on gastroduodenal fed and fasted motor activity in conscious rats"Am.J.Physiol.. 280. G406-G419 (2001)

  • [文献書誌] H.Takahara et al.: "Changes in serotonin levels and 5-HT receptor activity in duodenum of streptozotocin-diabetic rats"Am.J.Physiol.. 281. G798-G808 (2001)

  • [文献書誌] K.Tatemoto et al.: "The novel peptide apelin lowers blood pressure via a nitric oxide-dependent mechanism"Regul.Peptides. 99. 87-92 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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