研究課題/領域番号 |
13671305
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
富永 正寛 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70188796)
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研究分担者 |
福本 巧 神戸大学, 医学部附属病院, 医員
岩崎 武 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90324912)
具 英成 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40195615)
黒田 嘉和 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70178143)
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キーワード | 肝細胞癌 / C型肝炎 / 経皮的肝灌流化学療法 / インターフェロン |
研究概要 |
これまでの検討で症例数は少ないものの、術前のインターフェロンによる抗ウイルス療法によりC型肝炎ウイルスを減少させることでPIHPの抗腫瘍効果をさらに増強させる可能性が示唆された。そこで現在までの症例でC型肝炎ウイルスが少ない症例と多い症例でPIHPの腫瘍効果に差があるかどうかをretrospectiveに検討した。 【臨床的検討】 経皮的肝灌流化学療法(PIHP)を施行した患者において血中HCV-RNAとPIHPの腫瘍効果との関連性を検討した。 対象と方法:1997年以降で術前HCV-RNA量を測定したC型肝炎合併肝細胞癌11例を対象にこれらをI群;低ウイルス,3×10^2Kcopy/ml未満(n=7)およびII群;高ウイルス,3×10^2KCopy/ml以上(n=4)の2群に分け、抗腫瘍効果を比較した。 結果:両群で年齢、肝硬変、ICGR15値などの背景因子や腫瘍径、肉眼型、血管侵襲などの腫瘍因子に差はなかったが、腫瘍効果はI群PR6例、SD1例、II群PR1例、SD3例で奏効率は各々I群86%、II群25%となり有意に低ウイルス群で抗腫瘍効果が高かった。 従ってPIHPによる高用量化学療法においてウイルス量の多寡が腫瘍効果を左右することが示された。今後、インターフェロンによる抗ウイルス療法の前処置後にPIHPを施行する症例をさらに増やしその腫瘍効果を検証していきたい。
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