研究課題/領域番号 |
13671309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山口 幸二 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50191226)
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研究分担者 |
川本 雅彦 九州大学, 大学病院, 医員
中野 賢二 九州大学, 大学病院, 助手 (00315061)
清水 周次 九州大学, 大学病院, 助教授 (70274454)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 膵・胆管合流異常 / 酸化的ストレス / 炎症と発癌 / 胆嚢癌 |
研究概要 |
膵・胆管合流異常(PBM)では膵液が胆管内へ恒常的に逆流し胆汁中に産生された起炎物質で胆管壁に炎症が起こり、変異原物質と相まって胆道癌(PBM associated BD cancer)が高率に発生すると考えられている。炎症に伴う酸化的ストレスと発癌との関連が報告されている。酸化的ストレスでは活性酸素が核酸障害をし、核酸塩基グアニンの8位の炭素が水酸化され8-oxoodeoxyguanosineを生じ、これがGCよりTAへの置換を誘導する事が知られている。一方、PBMでよく見られる上皮の遺伝子変異であるKi-ras codon 12の点突然変異がGGTよりGAT、GTTへの変異を誘導することを考えると持続する炎症に伴う酸化的ストレスがPBM assoiated BD cancerの発生に関与していることが考えられる。本年度は発癌と酸化的ストレスとの関連に注目し、人胆嚢炎(16例)、PB胆嚢(15例)、PBM合併胆嚢癌(12例)の組織標本を用いて、酸化的ストレスとして過酸化脂質のマーカーとなる4-Hydroxy-2-nonenal-modified proteinss (HNE)、DNA傷害のマーカーとして8-OH deoxyguanosine、細胞回転K167、核内転写因子NFKappaB、遺伝子変異としての変異型p53の組織内発現やその局在を詳細に検討した結果、PBM胆嚢では慢性胆嚢炎よりHNEや8-OH deoxyguenosine、NFKappaBが高頻度に発現し、p53蛋白は胆嚢癌にのみ発現し、細胞回転はPBM胆嚢、胆嚢癌で亢進していた。膵液逆流による慢性持続性の炎症による酸化的ストレス、それに伴うであろうDNA傷害とPBM胆嚢癌発癌との関連が示唆された。
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