研究概要 |
1.ラット膵より膵島を分離・精製しストレプトゾトシンの静注にて作成したラットに移植する同種移植を施行した. 2.膵島の分離,純化に関しては手技的に安定しほぼ一定の数,viabilityの膵島を調製可能となった. 3.移植部位に関しては門脈内への直接注入の他マイクロカプセルを作成し大網内,腎被膜下への移植を計画している.このうち,門脈内注入に関しては移植による血糖値の改善等の結果が得られているが,大網内および腎被膜下への移植に関してはマイクロカプセルの作成が安定しないためか生着率が悪く,若干の改良を必要とする段階にある. 4.膵島移植におけるアポトーシスの関与についてDNA ladderやTune 1法など複数の検出法にて検討しているが,いまだ一定の結果は得られていない.移植の手技等を安定させ,さらなる検討を行っている. 5.上記と平行して分離膵島から移植膵島の生着期間を修飾する因子と期待されているReg proteinの発現解析を施行している.現在Reg protein geneのcDNAをRT-PCR法により調製しDNAのSequenceを確認している.確認後Vectorに挿入し発現を行う予定である.また,発現系が安定すれば,mutationを導入しwild typeとの比較を行いReg proteinの生化学的な特徴を検討する予定である. 6.本年度中に上記の問題点を改善し安定した移植法を確立するとともに,移植膵島の生着,機能不全に関与する分子生物学的な機序の解明に努めたいと考えている.
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