研究課題/領域番号 |
13671320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 拓朗 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20305361)
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研究分担者 |
佐藤 佳宏 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60347218)
土屋 貴男 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70343390)
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | stew cell / bone marrow transplantation / bone marrow derived cells / mouse / irradiation |
研究概要 |
骨髄細胞は肝を含む様々な臓器に対して細胞を供給している可能性があることが報告されている。本研究では骨髄由来細胞による肝不全治療の可能性を探るために、Green fluorescent protein cDNAを導入することにより全身の細胞に蛍光物質であるGreen fluorescent proteinを発現させたグリーンマウス(GM)を骨髄移植のドナーとして用い、レシピエントであるC57BL/6マウスに放射線照射後に骨髄移植を行い、骨髄由莱細胞がいかに胸腹部臓器内に分布するかを検討した。その結果、骨髄移植後の骨髄キメリズムは移植後4から12週間で完成し、骨髄由来細胞は肺、肝、膵、小腸、腎などの臓器に速やかに到達し、その程度は経時的に増加していた。特に、リンパ系組織では骨髄由来細胞への置換が速やかにおこったが。上皮細胞へ分化した細胞は認められず、少数の細胞は血管内皮へと分化していることが明らかとなった。さらに線維化に関与する細胞の一部が骨髄由来である可能性が示唆された。以上より、骨髄由来細胞は迅速に肝を含む胸腹部内臓へ分布し、特にリンパ組織と血管内皮細胞ではより速やかな骨髄由来細胞の分布を認めたことから、骨髄由来細胞の肝不全治療への応用に際しては、肝におけるリンパ網内系組織であるクッパー細胞あるいは血管内皮細胞への分化の裸程を通じて何らかの修飾を加えうる可能性が示唆された。また、線維化に関与する細胞群も骨髄から供給されている可能性を認めたことから、骨髄由来細胞は肝不全に伴う肝線維化の制御にも関与している可能性が示唆された。
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