研究課題/領域番号 |
13671334
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
吉田 宗紀 北里大学, 医学部, 講師 (50201017)
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研究分担者 |
古田 一徳 北里大学, 医学部, 助手 (40209177)
高橋 毅 北里大学, 医学部, 講師 (70245405)
柿田 章 北里大学, 医学部, 教授 (90109439)
星野 弘樹 北里大学, 医学部, 助手 (80276097)
板橋 浩一 北里大学, 医学部, 助手 (50265659)
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キーワード | 肝膵同時切除 / 肝膵臓器相関 / 肝再生 / 膵ホルモン / 肝不全 / 耐術能 / 肝機能 / 膵切除 |
研究概要 |
肝、膵の単独臓器の大量切除では多くの場合耐術できるが、肝膵同時切除では、時に耐術不能となることがある。耐術の条件には手術そのものによる過大侵襲のみならず、肝膵同時切除に伴う肝機能の変動や、膵ホルモンの肝再生への関与による肝膵相関など、特有の病態が存在するものと考えられる。本研究の最終的目的は、臨床例における肝膵同時切除の切除限界を事前に予測し得る指標の確立、術後の肝不全の予防と管理法の確立である。 我々は前年度までに18頭のイヌを用い肝切除に膵切除量を加え、膵切除量に応じて3つの実験群を作成してきた。耐術率や術中血行動態、肝機能の推移などついて、これらの群間にある程度の傾向があったものの大きな有意差は見いだせなかった。そこで本年度は、各群の例数を追加するとともに、第4群として更なる大量膵切除群を設定し肝70%切除+膵95%切除を行った。 第4群として本年度は体重10〜20kgの雑種成犬を用い3頭に肝左4葉切除(70%肝切除)と遊離膵から両側から2cmずつ十二指腸付着膵の切除(95%膵切除)を行った。全例が術後3日以内に死亡し耐術できなかった。死因は腹腔内出血、十二指腸穿孔、肝不全であり、前二者は手術手技に起因した。死亡剖検時の肝重量はChildらの肝再生率の数式ではいずれも70%以下で、第4群においては少なくとも術後3日以内には肝再生は行われていないことが分かった。臨床検査所見については血算・血液凝固系、肝機能検査、膵内分泌機能とも病態が多様なため症例間のばらつきが大きかった。第4群については来年度はさらに5頭を行う予定で、このデータを今までの3群と比較検討する方針である。
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