研究分担者 |
ガジザデ モハマッド 日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (30190979)
川並 汪一 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (70096973)
江上 格 日本医科大学, 医学部, 教授 (60089703)
長谷川 博一 日本医科大学, 医学部, 助手 (60218451)
渡辺 秀裕 日本医科大学, 医学部, 講師 (40191788)
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研究概要 |
当科で手術施行した胃癌新鮮凍結標本30例を用いて定量的経時的マイクロサテライト分析法(Quantitative real time microsatellite analysis : QuMA)に基づいて標的領域のDNAコピー数を検出した。CGH分析にてDNAコピー数変化を高頻度に認めた各染色体額域のうち、8q (D8S530, D8s1724, D8S1801)、20q (D20S911, D20S185)、16q (D16S3140, D16S3026)の各CA repeat marker領域及びZNF217 (2013.2)を標的領域とした。更に、CGH分析で変化に乏しい6種類のCA repeat markerのmixtureをReference markerは用いた。8q及び20q gain, 16q lossは各々60.0%・26.7%・46.7%に認めた。8q・20q内の3領域が全てgainする症例や2領域及び1領域のみの症例も存在し、genetic instabilityの程度が様々であることが示唆された。QuMAでのD8S1801のgain及びD16S3026のlossを呈する症例は各々有意に累積生存率が低下した(p<0.0483,0.0313)。更に、D8S1801のgain, D16S3026のlossの両者何れも呈しない症例はどちらか一方を生じる症例に比し極めて有意に予後良好であった(p<0.0006)。以上の結果より、CGH分析で標的領域を選択し、Reference markerを作成出来れば、短時間のうちに正確かつ安価で多数の臨床検体に対し、DNAコピー数を求めることが可能となり、新たなPrognostic factorとなりうる領域を検索できることが示唆された。 以上の結果につき第89回日本消化器病学会総会、第102回日本外科学会定期学術集会にて発表予定である。また、現在投稿予定の原著論文を作成中である。
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