研究分担者 |
大房 春彦 近畿大学, 農学部, 教授 (30223241)
奥野 清隆 近畿大学, 医学部, 助教授 (30169239)
所 忠男 近畿大学, 医学部, 助手 (30278676)
塩崎 均 近畿大学, 医学部, 教授 (70144475)
安富 正幸 近畿大学, 医学部, 教授 (60028438)
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研究概要 |
直腸癌前方切除におけるJ型結腸嚢再建(J)による術後2年以上の機能改善の有無が問題である.J48例とストレート再建(S)51例の術後1年,3年,5年の機能を17項目の問診からなる点数域0(良)〜26(不良)の排便スコアーと内圧測定による貯留能で比較した.1年:吻合部までの距離が8cm(特に4cm)以下の時jはSより有意にスコアーが良く(1〜4cm,5.6vs.10.2,P<0.0005;5〜8cm,3.5vs.5.2,P<0.005),貯留能も大きかった.問診項目のうち有意差がみられたのは,吻合部が1〜4cmの場合は日中と夜間の排便回数,排便我慢,下着汚染,パット使用,失禁,自己評価であった.また,吻合部が5〜8cmの時は夜間の排便回数,排便我慢,下着汚染であった.3年:吻合部が1〜4cmの時jはSより有意にスコアーが良く貯留能も大きく,5〜8cmではスコアーに差はないがJはSより夜間の排便回数,排便我慢,下着汚染に関して有意に良く貯留能も大きかった.5年:吻合部が1〜4cmの時JはSより有意にスコアーが良く,差がみられたのは日中と夜間の排便回数,排便我慢,下着汚染で貯留能も大きかった.5〜8cmではJはSより有意に夜間の排便回数,排便我慢は良く貯留能も大きかった.吻合部までの距離が8cm以下,特に4cm以下の超低位前方切除ではJで貯留能が増加することで術後5年でもJはSより機能が良好であった.
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