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2001 年度 実績報告書

大腸癌ペプチドワクチン開発の基礎および臨床研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671362
研究機関久留米大学

研究代表者

笹富 輝男  久留米大学, 医学部, 助手 (20196190)

研究分担者 伊東 恭悟  久留米大学, 医学部, 教授 (50125499)
白水 和雄  久留米大学, 医学部, 教授 (20216203)
キーワード大腸癌 / 癌ワクチン / 特異的免疫療法
研究概要

術後の再発大腸癌は治療が困難であることが知られている.我々は遺伝子発現クローニング法により見いだした6種類の新しい癌拒絶抗原遺伝子を用いて末梢血リンパ球中のキラーT細胞前駆体に認識される25種類の癌ペプチドワクチンを開発した.1999年より第一相臨床試験を開始している.
対症は大腸癌術後の再発症例でHLA-A24陽性の9例(肝転移、肺転移、局所再発)である。いずれも前治療が無効で、前治療からのwash-out期間は4週間以上とし前治療の効果や有害事象による影響を持ち越していないと判断されたインフォームドコンセントが得られた症例である
術後再発大腸癌患者末梢血リンパ球中のキラーT細胞前駆体に認識される反応性の高いものから順に4種類までの癌ペプチドワクチンを選択して投与した。各々のペプチドを不完全フロイントアジュバントを加えてエマルジョン化したペプチド溶液を使用し、調整された各エマルジョン化ペプチド溶液を大腿部、腹部などの皮下組織内に各々別々に2週毎に注射した.また個々のペプチド皮内反応溶液による皮内反応にてアレルギー反応陰性を確認し、アレルギー反応陽性を示したペプチドは投与しなかった。さらに2週毎にワクチン3回投与後、ワクチン4回投与後より併用療法として5FUとLeucovorinを毎週点滴静注した.
9例中6例に腫瘍マーカー(CEA or CA19-9)の低下、9例中2例に腫瘍サイズの縮小が認められた.抹消血リンパ球中のキラーT細胞前駆体頻度の増加は全例に認められ、9例中2例に血清中にIgG抗体(抗ペプチド抗体)が存在することが確認された.有害事象は投与部位の発赤、腫脹のみであった.キラーT細胞前駆体頻度にもとずく癌ワクチンと5FUとLeucovorinの併用療法は,特に抗癌剤が有効でない術後再発大腸癌症例には有用と思われた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Sasatomi, K Ito, K Shirouzu et al.: "Expression of the tumor-rejection antigens in colorectal cancers"Cancer. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Yoshiaki Miyagi, Teruo.Sasatomi, Kyogo Ito, Kazuo Shirouzu et al.: "Induction of Cellular Immune Responses to Tumor Cellsand Peptides in Colorectal Cancer Patients by Vaccination with SART3 Peptides"Clinical Cancer Reseach. 7. 3950-3962 (2001)

  • [文献書誌] T.Sasatomi, K Ito, K Shirouzu et al.: "Expression of the SART1 tumor-rejection antigens in colorectal cancers"Dis Colon Rectum. 43. 1754-1758 (1999)

  • [文献書誌] Teruo.Sasatomi, Kazuo Shirouzu et al.: "Total mesorectal excision, lateral lymphadectomy and automatic nerve preservation for lower rectal cancer : significance in the long-term follow-up study"Kurume Medical Journal. 48. 307-319 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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