研究課題/領域番号 |
13671364
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
白水 和雄 久留米大学, 医学部, 教授 (20216203)
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研究分担者 |
吉田 祥吾 久留米大学, 医学部, 助手 (30191589)
緒方 裕 久留米大学, 医学部, 講師 (20177124)
津田 英照 久留米大学, 医学部, 教授 (10080920)
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キーワード | アンチネオプラストン / AS2-1 / A-10 / 大腸癌 / アポトーシス / 同所性大腸癌治癒切除モデル / 補助療法 |
研究概要 |
1.基礎的研究 1)大腸癌細胞株に対するアンチネオプラストン(AN)の増殖抑制作用とメカニズムの検討 FAC SCANによる細胞周期の検討においてANトリートした細胞は、preG1期の細胞が増加した。そこで、DNA Ladderの解析を行った結果、ANトリート群においてLadderが検出された。 2)同所性大腸癌治癒切除モデルにおける再発抑制効果 同所性大腸癌治癒切除モデルを雄性ヌードラットにて作製し、AN(AS2-1)を200mg/ml,1日2回、週5日を5週間、内服投与を継続し、コントロールとAN投与群における肺転移抑制率を検討した結果、AN投与群は有意に肺転移率が低率であった。また、肺転移の切片をTUNEL法にて染色し、転移巣のアポトーシス・インデックス(A.I.)を算出した結果、有意にAN投与群においてA.I.は、高率であった。以上の検討より、アポトーシスを介した抗腫瘍効果が示唆された。 2.臨床研究 臨床検討においては、1994年〜2000年までの肝切除症例(MCN単独2例を含む)52例に対しrandomized control trialを施行し、16例にAN投与した。副作用としては肝、腎機能障害、骨髄抑制は全く認めず、腹部膨満、食欲不振が主であった。再発率、残肝再発率、肝外再発率をコントロール群とAN投与群とで比較したところ、いずれもAN投与例において低率であった。また、AN投与別の生存率と健存率は、ともにAN投与例において有意に高率であった。外科的再発治療においてもAN投与例は、再発治療可能80%(肺切除100%、肝切除75%)とコントロール群の50%に対し再発治療率も高率であった。以上よりANの全身投与は肝切除後の再発を抑制し、外科的再発治療を施行することで生存率を向上させる可能性が示唆された。
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