研究課題/領域番号 |
13671366
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
本田 雅之 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40330972)
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研究分担者 |
野添 忠浩 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (90325457)
犬塚 貞明 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40258596)
是永 大輔 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90170414)
安田 光宏 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (90269043)
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キーワード | cyclinA / cyclinB1 / 食道癌 / 大腸癌 / 細胞周期 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
(1)Cyclin Aに関する研究:Cyclin Aは特にM期で機能するサイクリンであり、その機能的発現は細胞分裂に関与することが予想される。今回の研究では、Cyclin A陽性の食道表在癌では、直下に存在するリンパ濾胞のgerminal center cellでもCyclin Aが発現することが多く(p<0.0001)、Cyclin Aは食道癌に対する免疫監視機構としての役割を有することが推測された。大腸癌では、Cyclin A発現陽性例は陰性例より平均腫瘍径が大きく(p<0.05)、リンパ節転移率が高く(p<0.05)、5年生存率が低く(p<0.01)、Cyclin Aが大腸癌悪性度の規定因子のひとつとなり得ることがわかった。 (2)Cyclin B1に関する研究:これまでの研究では、胃癌や大腸癌の症例の約50〜60%にcyclin B1蛋白が発現し、cyclin B1の発現と癌の進行度、リンパ節転移との間には有意な負の相関が認められた。しかし今回の食道癌の分析では、cyclin B1蛋白発現は、深達度、静脈侵襲と相関が認められ、Cyclin B1発現陽性例は陰性例より5年生存率が低かった(p<0.01)。さらに、細胞内局在に注目すると、核優位の染色を示す症例では細胞質優位の症例よりさらに予後不良であり(P<0.05)、何らかの機序を介してcyclin B1が細胞増殖や癌の悪性度に影響を及ぼすものと考えられた。これらの結果より、癌組織におけるCyclin B1発現の意義は臓器の相違によって異なる可能性を否定できないが、この点の解明については今後の課題である。
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