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2003 年度 実績報告書

サイクリン・ファミリーの発現からみた細胞周期の新しい展開-チェックポイント制御と癌-

研究課題

研究課題/領域番号 13671366
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

本田 雅之  福岡歯科大学, 外科学講座・歯学部, 講師 (40330972)

研究分担者 犬塚 貞明  福岡歯科大学, 外科学講座・歯学部, 講師 (40258596)
キーワードCdk / cyclinB1 / リンパ節転移 / cdc2 / 14-3-3σ / 細胞内局在 / G2M / 大腸癌
研究概要

【大腸癌におけるcdc2の発現】(1)cdc2陽性例の平均年令は60.2±14.8歳であり、陰性例の66.4±10.9歳に比して有意に低かった(P<0.05)。(2)cdc2陽性例のリンパ節転移率は47.8%(11/23)と陰性例の23.1%(15/65)と比較して有意に高かった(P<0.05)。(3)単因子解析では腫瘍径・深達度・静脈侵襲、cdc2がLogistic判別分析による多変量解析ではcdc2と深達度のみがリンパ節転移の有無に影響を及ぼす有意な因子と判明した。
【大腸癌における14-3-3σの発現】
(1)14-3-3σ陽性例の深達度は陰性群に比べて有意に深く(p<0.05)、リンパ管侵襲が有意に多く(p<0.05)、多変量解析の結果、深達度とリンパ管侵襲はいずれも14-3-3σ発現に寄与する独立因子と判明した。(2)14-3-3σの細胞内局在について分析すると、核優位に染色された症例が79例中26例(33%)、細胞質優位の症例が53例(67%)であった。核優位群は細胞質優位群よりも深達度が深く(P<0.05)、5年生存率は核優位群が76%と細胞質優位群の91%に比して有意に不良であり(P<0.05)、14-3-3σが核優位に発している症例ほど癌の進展が著しい傾向が認められた。
【考察】細胞周期の進行はサイクリンによる一連のCdk活性のon-offによって制御されている。DNA傷害に際し、14-3-3σがcdc2-cyclin B複合体を核から細胞質へ移動させて不活化することにより、G2 arrestが生じる。大腸癌組織を用いてCyclin AやCyclin Bと複合体を形成するCdc2蛋白発現の意義を分析した結果、Cdc2蛋白発現例では有意にリンパ節転移の頻度が高かった。また、14-3-3σが核優位に発現している症例ほど癌の進展が著しく、G2M期チェックポイント機構の変化を介して癌の浸潤・転移に関与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nozoe T, et al.: "p34cdc2 expression is an independent indicator for lymph node metastasis in colorectal carcinoma."J Cancer Res Clin Oncol.. 129. 498-502 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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