研究課題/領域番号 |
13671368
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研究機関 | 国立小児病院(小児医療研究センター) |
研究代表者 |
絵野沢 伸 国立小児病院, (小児医療研究センター)・実験外科生体工学研究部, 室長 (40232962)
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研究分担者 |
梨井 康 国立小児病院, (小児医療研究センター)・実験外科生体工学研究部, 研究員 (60321890)
鈴木 盛一 国立小児病院, (小児医療研究センター)・実験外科生体工学研究部, 部長 (00111386)
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キーワード | 肝 / 胎児 / 細胞移植 / ラット / マウス / 羊膜細胞 / 遺伝子治療 / 先天代謝異常 |
研究概要 |
肝移植は後天的な肝不全のみならず先天性代謝異常症に対する根治療法としても確固たる地位を占めてている。しかしながら、移植の有効性が明らかになるに従い、逆にドナー不足による待機患者の増加という皮肉な結果をもたらしている。その解消手段としてドナーの拡大を図るべく心停止ドナーを含むマージナルドナーや異種ドナーの利用が研究されている。一方、臓器ではなく細胞移植という方向性も考えられ、実際、臨床的にも肝細胞の経門脈移植や脾内移植が試みられている。しかしながら両者ともそれぞれの問題点を有しており研究のさらなる進展が望まれる。前者における異種移植は異種拒絶反応の制御が、後者では移植細胞の生着・増殖がひとつの大きな問題点である。本研究はこの2点を解決するための基盤的研究である。 ラット実験系では確定妊娠LEW系あるいはGUNNラット後期胎仔肝内にラット羊膜上皮細胞を移植した。移植経路は子宮表面から視認した胎児肝への直接注入によった。この細胞移植はLEWラットでは約40%、GUNNラットでは28%の生仔率であった。移植細胞は出生直後は集塊状を成すが、次第に肝組織全体に瀰漫性に広がっていった。GUNNラット胎仔に対しては、羊膜上皮細胞に予め同ラットで欠損しているUDPグルクロン酸転移酵素遺伝子を導入して移植した。現在、その治療効果を胆汁のHPLC分析によって調べている。マウス実験系では確定妊娠CB17 Scidマウスの後期胎児肝にヒト由来細胞株HepG2を移植したところ、成体では生着しない少数細胞でも肝内で著名に増殖することがわかった。
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