研究課題/領域番号 |
13671381
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 誠紀 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10252438)
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研究分担者 |
和田 洋巳 京都大学, 医学研究科, 教授 (90167205)
玄 丞烋 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90283655)
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キーワード | ポリフェノール / 気管 / 保存液 / 物理的特性 / EK-K |
研究概要 |
物理的特性評価による気管冷保存液としての緑茶polyphenolの有効性の検討 実験と方法; Wistar ratの頚部気管を10ring、9mm摘出し、各保存液にて各時間冷保存した。保存液としては、生理食塩水、ET-K液、ET-K+polyphenol(1mg/ml,1mg/L)添加液をもちい、4℃にて24時間もしくは1週間保存した。保存なし群をcontrol群とした。 実験1(24時間冷保存)、Control群(n=2)、ET-K単独群(n=3)、ET-K+polyphenol添加(1mg/ml)群(n=2)。実験2(1週間冷保存)、Control群(n=3)、生理食塩水保存群(n=3)、ET-K単独群(n=2)、ET-K+polyphenol添加(1mgml)群(n=2)、ET-K+polyphenol添加(1mgL)群(n=3)。 伸展装置"ストレッチ"(スカラテック社製)を用い、冷保存気管の物理的特性評価を行った。各気管は1.6gのpre-stress負荷後、1Hzで10秒間0〜2gのtensionにて、pre-conditioningとした。伸展率50%、伸展速度2分間で1往復に設定しQuasi-static測定し、200ミリ秒ごとにsamplingを行った。物理的特性評価として得られたStress-Strain curveから伸展率50%でのStress値を求め、各気管の粘弾性評価を行った。 結果; 実験1;Control群、407.1±80.6 ET-K単独群、368.3±81.1 ET-K+polyphenol(1mg/ml)群、362.4±90.6(Mean±SD)であり、24時間保存では各群において差は認めなかった。 実験2;Control群、279.0±53.0 生理食塩水群、481.2±28.9 ET-K単独群、374.1±50.1 ET-K+polyphenol(1mg/L)群、472.1±30.0 ET-K+polyphenol(1mg/ml)群、Not detected(Mean±SD)であり、1週間保存後、すべての群においてControl群に比し明らかに気管が硬化した。ET-K+低濃度polyphenol添加(1mgL)群は生理食塩水群と同程度に硬化した。また、ET-K+高濃度polyphenol添加(1mg/ml)保存液群は、硬化が強く82.5%伸展させることができなかったため測定が不可能であった。 以上の結果より、ET-K+polyphenol添加保存液は気管保存液として有効でないと考えた。
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