1 トレハロースの指摘濃度の検討と再灌流障害の免疫病理学的検討。 [方法]SDラット摘出心にたいして灌流法は20分の準備灌流後に上記の液用いて心停止。以後30分に一回追加しながら90虚血とし再灌流する。再灌流後の左心機能を収縮末期圧容積関係(ESPVR)と拡張末期圧容積関係(EDPVR)にて評価した。この際灌流液または灌流血液を肺動脈より採取し生化学的検査(CK・MBなど)を行うとともに心筋標本採取。8-0HdG免疫染色と高速液体クロマトグラフィーにて定量した。 [結果]1 心筋保護効果の検討;グループA:セントトーマス液、グループB:3%トレハロース付加セントトーマス液の2群で比較検討した。(心収縮能の検討)再灌流後5分における収縮末期圧容量関係にて評価した。その結果トレハロース3%入りのセントトーマス液の方が収縮能をより保つことが示された。(心筋浮腫の程度に関する検討)心筋の浮腫を還流後の心筋重量増加率で比較した。結果トレハロース付加群で有為に浮腫を軽減した。また病理学的な細胞浮腫の検討でもトレハロース付加群で細胞浮腫の軽減される傾向を示した。以上のことからトレハロースは心筋保護液に付加する物質として有用である。 2 至適濃度の検討 4%の溶液においてその浸透圧は420前後と高く3%で380前後2%で340前後となる。この点から濃度は2%?3%が至適と考えられた。 3 保護にかんする作用機序の検討 1で得たサンプルにTUNEL法を用いてapoptosisを検討した。トレハロース群で有為にapoptosisが軽減した。 4 他の添加薬剤の検討 PARS inhibitorである3ABについて同様に検討。心収縮能に関して有効な結果を得た。
|