研究課題/領域番号 |
13671385
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
榊田 悟 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90311753)
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研究分担者 |
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30263247)
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00243220)
白倉 良太 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116047)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20314312)
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キーワード | 慢性拒絶反応 / ラット異所性心移植 / 戻し心移植法 / B細胞 / mRNA differential display / 免疫グロブリン |
研究概要 |
ラット心再移植モデルにmRNA differential display法を応用して、慢性拒絶心に発現する未知遺伝子を同定することを目的とした。これまでの通常のPCR-basedmRNa differential displayによる検討で、慢性拒絶心での高い免疫グロブリン遺伝子の発現が同定されていたので、まず再移植心中のB細胞分布と抗体沈着を免疫組織学的に検討した。その結果、移植心がドナーおよびレシピエントと同系の宿主に再移植された後でかつ血管内膜肥厚病変が進行する時期(再移植30日後)の病変血管周囲にB細胞の強い浸潤が認められた移植心にはB-lymphocyte chemoattractant遺伝子、CD40 ligand遺伝子、B7、2遺伝子の強い発現が、B細胞浸潤時期に一致して認められ、同系のB細胞が能動的に移植心に浸潤し、活性化されていることを示唆した。移植直後の冠状動脈内膜には抗体沈着は全く認められなかったが、同系宿主への再移植30日後には、病的新生内膜に1gMの、病的内膜と用囲中膜に1gGの強い沈着が認められた。これまでアロ抗体産生が認められないという理由で本モデルに液性免疫は関与しないと考えられてきたが、本結果は自己抗体産生による液牲免疫の慢性拒絶反応への関与との可能性を示した(論文投稿準備中)。本モデルでのmRNA differential display解析の有用性がさらに確認された。そこで、発現量がより低い未知遺伝子の同定を目脂して、Restriction fragment length polymorphism based differential(RFDD-PCR)法の準備を進めた。解析出来る資料数に制限があることと予備実験の結果から、今後は再移植後14日の移植心の比較による解析を行っていく予定である。
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