研究課題/領域番号 |
13671385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
榊田 悟 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90311753)
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研究分担者 |
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30263247)
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00243220)
白倉 良太 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116047)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20314312)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 慢性拒絶反応 / ラット異所性心移植 / 戻し心移植法 / 定量RT-PCR法 / mRNA Differential display / B細胞 / 抗体 / RFDD |
研究概要 |
心慢性拒絶反応の発生・進展機構を明らかにするために、通常のPCR-based mRNA differential display (PCR-DD)法とRestriction Fragment differential display (RFDD)法による発現遺伝子探索をラット心再移植法による移植心冠状動脈硬化症に対して行い、発現する遺伝子の同定とその慢性拒絶反応における病態上の意義を研究した。 すでにPCR-DD法で、イムノグロブリン遺伝子の発現を確認していたので、その病態上の意義をまず検討した。慢性拒絶心では、アロ免疫応答が消退し急性拒絶像が慢性拒絶像に切り替わる、新生内膜進展期に、病的内膜特異的なB細胞の浸潤を認めた。B細胞遊走因子と受容体あるいはB細胞活性化分子の発現検討から、この過程は非アロ応答性B細胞の活性化に基づく能動的なものであることが示された。また、再移植直後には認められないIgM抗体とIgG抗体の沈着が、進展期の病的内膜特異的に認められ、血管病変局所での病的内膜特異的なB細胞応答が、心慢性拒絶反応の進展機構上意義を持つことが示唆された(論文印刷中)。 RFDD法は、より再現性と感度に優れた未知遺伝子検出法として期待されたが、本法で心慢性拒絶反応進展期に発現が検出された遺伝子は、クラスII組織適合性抗原遺伝子とCD11b遺伝子の2つに止まり、上記の知見を更に支持する知見ではあったが、さらに新しい病態上の知見につながるものではないと考えられた。 以上、現状の2つのmRNA differential display法によって、心慢性拒絶反応の進展機構に、血管病変局所で行われる病的内膜特異的な抗体産生が関与する可能性が示された。
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