研究課題/領域番号 |
13671397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 宮崎大学(医学部) |
研究代表者 |
矢野 光洋 宮崎大学, 医学部, 助手 (00305096)
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研究分担者 |
鬼塚 敏男 宮崎大学, 医学部, 教授 (60108595)
中村 都英 宮崎大学, 医学部, 講師 (10207871)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | Adenosine-enhansed Ischemic Preconditioning / Ischemia-Reperfusion Injury / Cardioprotection / nitric oxide / Isolated Heart Perfusion |
研究概要 |
【目的】心筋虚血-再灌流傷害におけるIschemic Preconditioning(IPC)では、再灌流後早期における一酸化窒素(NO)の関与については否定的な報告が多い。一方、アデノシン投与を併用したIPC、Adenosine-Enhanced Ischemic Preconditioning(APC)が、再灌流後早期の心筋保護効果を有意に増強したと報告されている。我々はAPCによる再灌流後の冠灌流量増加に着目し、内因性の血管拡張物質であるNOが一部関与しているのではないかと考え、検討を行った。 【方法】ウサギ摘出心臓灌流モデルを用い、37℃30分間のglobal ischemiaを作成し、その後120分間の再灌流を行った。実験群は1.非虚血群、2.虚血のみ行った群、3.虚血前にIPCを施行した群、4.虚血前にAPCを施行した群、5.虚血前にAPCを施行し再灌流後30分間L-NAME(NO合成酵素阻害剤)を投与した群の5群に分け、それぞれ血行動態データ、冠灌流量、冠灌流液中のNO濃度を測定し検討した。 【結果と考察】APC群の血行動態データ及び冠灌流量は他群に比し有意な心筋保護効果が認められた。虚血のみ群とIPC群のNO濃度は虚血前値に比し同程度〜低下傾向を示したが、APC群においては再灌流早期(10分後〜20分後)に上昇がみられた。さらに、APC+L-NAME投与群ではAPC群において認められた心筋保護効果が有意に減少しており、内因性NOはAPCの効果発現において必要な要素であることが示唆された。APC群では再灌流後早期に内因性のNO産生が増大し、これによって再灌流障害の抑制、冠血管拡張による冠灌流量増加が起こっているものと考えられた。 【結語】心筋虚血-再灌流傷害におけるAPCの心筋保護効果には内因性のNOが一部関与していることが示唆された。
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