研究課題/領域番号 |
13671403
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
蘇原 泰則 自治医科大学, 医学部, 教授 (60114097)
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研究分担者 |
齊藤 紀子 自治医科大学, 医学部, 助手 (00347999)
大谷 真一 自治医科大学, 医学部, 助手 (80337310)
遠藤 俊輔 自治医科大学, 医学部, 講師 (10245037)
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キーワード | 生体内観察 / 腫瘍微小血管 / 腫瘍微小血管傷害 / 抗腫瘍リンパ球 / 免疫療法 |
研究概要 |
(研究目的) ヒト固形癌に対し免疫療法は無効であるとされている。我々は腫瘍微小循環の生体観察を通して、腫瘍微小血管壁が抗腫瘍リンパ球と腫瘍との接触を妨げ、免疫システムの発現を阻止しているのではないかと考えるようになった(バリアー作用)。本研究はこの考えを証明し、さらに新たな免疫療法の案出を目的としている。 (研究計画と実績の概要) 平成13年度は佐藤肺癌の肺転移巣を安定的に作成するための研究を行った。佐藤肺癌をドンリュウラットの腹腔内で増殖させ、この癌性腹水を凍結保存培地に混入し、-80℃で保存する。使用する場合は、この保存液を37℃の温水で解凍し、107個の癌細胞を培地液とともに静注する。この方式によって、肺転移巣を安定的に作成することが可能となった。 平成14年度は肺転移巣の作成状況ならぴに腫瘍と抗腫瘍リンパ球との関係を生体観察した。佐藤肺癌静注後3日目に直径約50μの初期転移巣が作られ、7日目には200-300μで腫瘍動静脈を持つ成熟した転移巣となった。腫瘍血管は3日目には認められ、4〜5日で最も増加し、7日目で一定の数に落ち着いた。腫瘍微小血管に付着したり、腫瘍内に遊走するリンパ球は全く認められなかった。即ち、免疫システムは全く作動していなかった。 平成15年度は腫瘍微小血管傷害を惹起すると思われるCDDPやCPの投与が腫瘍微小血管へのリンパ球付着や腫瘍内へのリンパ球遊走にどのような影響を与えるか。さらに、このような薬剤の投与はラットの生存率に影響を及ぽすかいなかを検討する予定である。
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