研究課題/領域番号 |
13671409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
日比野 成俊 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50318094)
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研究分担者 |
新岡 俊治 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20192122)
青木 満 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80175736)
黒澤 博身 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50075511)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 自己細胞 / 生体吸収性ポリマー / 内皮細胞 / ティッシュエンジニアリング / 再生心臓弁 / 心臓外科 |
研究概要 |
先天性心疾患に対する外科領域において、肺内肺動脈弁の構築,再建が必要な症例は多い(ファロー四徴症、肺動脈閉鎖症、等)。現在使用されているのは、異種心膜弁あるいは自己心膜弁等であるが、それぞれ問題点を有している。異種心膜は表面に内皮化がおこらず、さらに間質の石灰化、高価格、等に問題が残っている。さらに生きた細胞が存在しないため成長の可能性は皆無である。自己心膜に関しては供給に限界があり、十分な量が確保できないことが多い。 本研究の目的は、組織工学の手法によりヒト血管壁細胞を用いて臨床応用可能な人工肺動脈弁組織を作成し、上記の補填材料の問題点を解決することであった。ヒト細胞を用いたこの分野での研究は過去になく、ヒト細胞の生分解性ポリマーへの接着、ポリマー上での分裂増殖能の研究は不可欠と思われた。 <in vivo実験>すでに動物実験による至適ポリマー、至適細胞数、至適組織裁断法の探究及び選定を終了した。実験動物として子犬を用い、大腿部の静脈片を採取し、そこから自己血管壁細胞の単離、培養を開始した。十分な細胞数が得られれば、生分解性ポリマーの導管(7X10mm)に播種し一週間のポリマー上での培養を継続した。一週間後に細胞を採取した同一動物を全身麻酔下に左開胸し、体外循環をもちいて肺動脈弁を置換した。コントロール実験として組織断片を播種しないポリマーシートのみの移植も行った。移植3-12ヶ月後に作成された組織に対して生化学的、生力学的、免疫組織学的検討を行った。生化学検査として、組織中コラーゲン、エラスチン、カルシウム濃度の測定を行い、インストロン張力検査機を用いて作成された組織の最大張力を測定し自己の同じ部位の組織と比較検討した。組織学的には免疫染色の手法を用いて内皮細胞の指標である第八因子を染色すると共に細胞間隙の間質蛋白質を染色し自己組織と比較検討した.同種細胞(allogenic)は拒絶反応の因子を排除できないため、細胞は全て自己(autologous)細胞を用いた。 <ヒト細胞のin vitro 実験>ヒト血管壁より採取した平滑筋細胞、線維芽細胞、中皮細胞を用いてポリマー上での増殖能、ポリマーへの接着性、成長因子の影響等の分子生物学的研究をin vitroで行った。現在は、幹細胞を用いる方法も同時に研究中である。
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