手術摘出時のパラフィン包埋標本で主に髄膜腫におけるMIB-1による増殖能、p21、p27、p16、について免疫組織化学およびウエスタンブロットによる検討をした。P21の出現は比較的低く、MIB-1の高いもの(悪性度と良く相関して)高くなる傾向が認められた。P27はあまり増殖能との関係は強くなく、腫瘍内でcellularityの高い部位や悪性度の高い腫瘍や人工塞栓術後の壊死巣周囲に高頻度に出現する傾向があった。これに関しては現在論文作成中である。一方、p16に関しては比較的増殖能の低いものや石灰化巣を示すもので高頻度の傾向があるが、telomere長との関連もうかがわせる所見があり解析中である。 凍結標本からDNAの抽出をおこないサザンブロットでテロメア長の測定を試みているがデータはまだ一部しかでておらず、さらに多数でおこない、他の因子との関連を解析をしていく予定である。 テロメラーゼの発現に関しては、hTERTのウエスタンブロット、免疫染色による検討が一部おわり、やはり悪性度に関連して出現している傾向が認められている。しかし、免疫染色で良性腫瘍でもごく少数hTERT陽性細胞があり、これが腫瘍細胞かどうかを同定していく予定である。また、ストレッチPCRによる解析を準備中である。 一部の腫瘍について培養をつづけているが、いずれも成長が遅くテロメア長の解析はまだ行っていない。
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