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2002 年度 実績報告書

ガングリオシドによる細胞周期制御-悪性グリオーマに対する新規治療法の開発-

研究課題

研究課題/領域番号 13671434
研究機関大阪大学

研究代表者

泉本 修一  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40324769)

研究分担者 中辻 裕司  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20332744)
キーワードガングリオシド / GM3 / 糖脂質 / グリオーマ / 脳腫瘍 / 悪性グリオーマ / アポトーシス
研究概要

初年度にあたる昨年はGM3投与による悪性グリオーマへの影響をinvitroおよびin vivoで調べた。その結果、高濃度のGM3との接触によりグリオーマ細胞の増殖は有意に抑制され、また実験グリオーマ脳腫瘍モデルでのGM3投与実験でもその生存日数は有意に延長した。
本年度は研究計画どおり、一方ではin vivoでのGM3投与実験をさらに進め、そのグリーマ増殖抑制効果の病理動態を検討した。その結果、腫瘍細胞増殖抑制作用がGM3投与によるグリオーマ細胞のアポトーシス誘導によるものであることがTUNEL法により解明された。また、その効果は、アポトーシス細胞の出現を見る限り、脳槽内単回投与では3日目を境に消退していくことがわかった。またその効果は腫瘍塊の表面に限られ、GM3の脳あるいは脳腫瘍内への浸潤効果は限られることが示された。
さらに、もう一方ではグリオーマ細胞の接着浸潤に対する作用の解明を行った。すなわち、GM3による細胞運動能への作用をBoyden Chamber Assayにより明らかにした。その結果、GM3の濃度依存性に細胞運動が抑制されることがわかった。さらに当教室で開発した三次元構築脳組織培養モデル(slice culture)に共焦点レーザーを組み合わせ、腫瘍塊から脳組織に浸潤するグリオーマ細胞を経時的に生細胞として捉えることができ、脳内浸潤への影響を明らかにした。その結果GM3が腫瘍増殖抑制のみならず、浸潤能の抑制に働いていることが明らかになった。以上のことより、高濃度のGM3局所投与が、悪性グリオーマに対して増殖、浸潤ともに抑制することより、今後有川な治療法のひとつになる可能性を示した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Manabu Kinoshita: "Primary malignant lymphoma of the trigeminal region treated with rapid infusion of high-dose MTX and radiation case report and review of the literature"Surgical Neurology. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Ken Koguchi: "Modulation of astrocyte proliferation by cyclin-dependent kinase inhibitor p27(Kip 1)"Glia. 37. 93-104 (2002)

  • [文献書誌] Yuji Nakatsuji: "Density dependent modulation of cell cycle protein n expression in astrocytes"Journal of Neuroscience Research. 166. 487-496 (2001)

  • [文献書誌] Suzuki M: "Improvement of anti-Hu-associated paraneoplastic sensory neuropathy after chemoradiotherapy in a small cell lung cancer patient"Internal Medicine. 40. 1140-1143 (2001)

  • [文献書誌] 泉本修一: "頭蓋咽頭腫における性ホルモン受容体の発現と腫瘍増大の生物学的検討"日本内分泌学会誌. 78. 129-132 (2002)

  • [文献書誌] 泉本修一: "ラトケ_胞の手術治療選択と長期成績"日本内分泌学会雑誌. 78. 66-69 (2002)

  • [文献書誌] Yuji Nakatsuji: "Regulation of cell cycle progression in astrocytes. In : Non-neuronal cells of the nervous system : Function and dysfunction. Advances in molecular and cell biology"(Hertz L, ed)Elsevier Science,(in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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