研究課題/領域番号 |
13671435
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
近藤 威 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (50273769)
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研究分担者 |
甲村 英二 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30225388)
西崎 知之 兵庫医科大学, 第二生理学教室, 教授 (00221474)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 骨髄stromal cell / 脳内細胞移植 / スライスカルチャー / レチノイン酸 / 神経再生 |
研究概要 |
【目的】GFP(+)全骨髄細胞を用いて、in vivoでの骨髄細胞の分化能について脳損傷の存在の影響を調べると共に、海馬スライス培養を用いてex vivoでの骨髄細胞の生存分化について調べた。さらにGFP(+)全骨髄細胞を用いて、幹細胞に対する神経系分化促進作用が知られているレチノイン酸が骨髄stromal cellsに働く作用についてこれまで築いてきた海馬スライス培養系を用いて、さらに脳内移植後1日でスライス作成して培養を行った。【方法】(A)in vivo(tail vein):C57BL/6 mice線条体に穿通性脳損傷を作成し、D0およびD1に尾静脈よりgreen miceから採取した全骨髄細胞を注入した。(B)in vivo(direct graft):全骨髄細胞を線条体に直接脳内移植した。(C)ex vivo:D9-11のrat幼若海馬スライス培養を用い、同様の全骨髄細胞を共培養し、蛍光顕微境下にて形態を経時的に観察した。D9-11のラット幼若海馬スライス培養を用い、GFPトランスジェニツクマウスから採取した骨髄stromal細胞を共培養し、蛍光顕微鏡下にて形態を経時的に観察した。レチノイン酸投与は、10^<-4>から10^<-8>Mで至適濃度を求めた。【結果】(1)ラット海馬培養系を用いて最大35日間にわたり共培養した骨髄stromal cellは生存した。(2)培養開始後3日目より、骨髄stromal cellsは形態的に紡錘形に変化し突起を双極性に伸ばし始めた。(3)より長期に培養を続けると突起は最大200um以上に伸展し、また互いにシナプス結合様のネットワークを形成した。(4)レチノイン酸投与では、10^<-6>Mで形態的に神経系に分化する細胞がコントロール群に比べて約5倍増加した。これらの増加はD7がピークであり、培養が長期に及ぶとコントロール群と有意差は無くなった。(5)グリア系細胞の形態をとる細胞も認められたが、その他の線維芽細胞などの形態は認められなかった。【結論】全骨髄細胞から神経細胞へ分化するものはごく僅かであると考えられる。レチノイン酸は分化促進に効果があるが、その投与期間について今後至適期間を解析する必要がある。
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