研究課題/領域番号 |
13671444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
後藤 恵 熊本大学, 医学部, 助教授 (50240916)
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研究分担者 |
生塩 之敬 熊本大学, 医学部, 教授 (20028583)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | Reelin / reeler / basal ganglia / cerebral cortex / substantia nigra / dopaminergic neurons / Cajal-Retzius cells / development |
研究概要 |
Reeler遺伝子産物Reelinの大脳基底核の発達形成における役割を検索した。wild-typeまたrl/+ miceとの比較解剖学的解析の結果、reeler mutant(rl/rl) miceでは黒質ドーパミン作動性神経細胞群(A9 cell group)のhypoplasiaがあり、ドーパミン作動性神経細胞が中脳被蓋野の外側にectopiaを形成していた。これは胎生期線条体からanterograde axonal transportによって中脳に供給されるReelinの欠失によって生じ、Reelinがドーパミン作動性神経細胞群の外側方への遊走を規定していることを示した。さらに、黒質-線条体の神経回路形成におけるReelinの役割についてinvivoおよびinvitroの移植実験を行い研究している。大脳皮質の発達においては、Reelinが皮質神経細胞の層状配列のみならず垂直性円柱構造の形成にも関与している知見を得た。マウスの出生期において、Reelinを分泌するCajal-Retzius cellsが水平方向に周期性を持った集塊を形成することでmarginal zoneにReelinの濃度勾配ができ、これによって皮質神経細胞の側方位置が規定され細胞性円柱構造が形成されることを示した。また、樹状突起形成期にも、marginal zoneにおけるReelinの周期性濃度勾配は存在し、これによって皮質神経細胞からの脳表への樹状突起投射は周期性を持った円柱状配列をとることを示した。そして、これらの現象においてReelinは皮質神経細胞の遊走および樹状突起の伸展に対してstop signalとして働いている可能性を示唆した。
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