研究課題/領域番号 |
13671453
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 俊之 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90168360)
|
研究分担者 |
峯浦 一喜 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70134103)
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (80191899)
|
キーワード | 微小循環 / 酸素分圧 / 酸素輸送 / 虚血 / 再灌流 / 脳循環 / 細静脈 / 白血球粘着 |
研究概要 |
血栓や血管障害によって臓器が虚血に陥った後、いまだ非可逆的細胞死に至っていない疎血領域の血行を再開させる治療手技が広く一般化しつつある。しかし血行再開にともない、かえって組織傷害が増悪する「虚血/再灌流障害」が新たな問題点として提起されてきている。 本研究の目的は、虚血/再灌流傷害という病態形成時に脳皮質神経機能が示す挙動を微小循環動態の面から解析することである。具体的には虚血部位の微小血管(細静脈)への白血球粘着の動態を観測するとともに、脳表における組織酸素分圧の分布を可視化して、微小血管から組織への酸素輸送を時間的・空間的に把握するという方法をとる。さらに、細胞内カルシウム濃度を光学的に計測して再灌流傷害時の細胞内信号伝達系の病態についても検討を加える。 初年度の13年度には、脳虚血モデルの作成と虚血/再灌流プロトコールの検討に重点をおいて実験を進めた。すなわち、局所脳虚血モデルをラット頚動脈へのナイロン糸の挿入・抜去によって作成し、種々の予備実験を行って微小循環パラメータの計測時期を決定した。脳微小循環を観察する目的は血流動態と血管内皮への多核球の粘着を定量評価することであるが、血流はFITCで赤血球を標識することにより、多核球の粘着はRhodaminで多核球を標識することにより、それぞれ骨窓を通して可視化しえた。また、酸素分布可視化システムをラット骨窓用に改装し、虚血/再灌流時における脳表の酸素分布を計測しえた。14年度には、このプロトコルに従って微小循環動態の定量的解析を加えるとともに、神経障害の機能的な評価実験へと進む予定である。
|