研究概要 |
1)ステントによる頭蓋内穿通動脈閉塞の有無:バルーンによる内膜障害により狭窄性病変を作成した家兎腹部大動脈にステント留置を行い、腰動脈閉塞の有無を観察した。腹部大動脈より直角に分岐する腰動脈閉塞は認められなかった。本モデルでは狭窄の程度が比較的軽く、臨床例とは若干異なるため、WHHR(Watanebe hereditary hyperlipidemic rabbit)を用いて再検予定である。 2)臨床例では現在まで計17例の頭蓋内動脈にステント留置を行った。閉塞例に対してPTA/stentを行った1例では再閉塞を来したが、PTAで再拡張できた。また、MRI(diffsuion image)で血栓塞栓による異常信号の出現の有無を調べているが、穿通枝領域や他の部位での異常信号の出現は認められていない。長期の経過観察では1例で再狭窄を来したが、15例では拡張は良好であり、また、現時点では、明らかな穿通枝閉塞を示唆する所見はなく、頭蓋内ステントは有効な治療法を考えられる。 3)PVAカバードステント:PVA膜にVEGF, bFGFなどが封入可能かを検討した。漏出してきたbFGF, VEGFはELISAで測定した。bFGF, VEGFともPVA内に封入できることが確認できた。ただ、漏出のピークが24時間と比較的早く、さらに長期の効果を期待するにはさらに工夫を要すると思われる。
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