研究概要 |
FCMを用いた細胞周期の解析 FITC標識cyclin A,B1,D1,Eとpropidium iodideによるDNAヒストグラムより各細胞周期別発現を測定した。グリオーマ細胞株ではサイクリンA,B1,D1に発現がみられた。また、サイクリンB1は細胞周期のS G2Mに発現し、D1はGo1に発現していることが判明した。 LSCを用いた細胞周期の解析 LSCではFCMと同様の結果が得られた。 As_2O_3の抗腫瘍効果とサイクリンの発現 As_2O_3の抗腫瘍作用の機序として、p53によりcyclin B_1,D_1が細胞回転をup regulationされていると考えられた。 グリオーマのp130発現 一方、グリオーマ株化細胞では、殆ど陰性であり、グリオーマ手術標本では一部陽性細胞がみられた。従って、グリオーマでは発現はあるものの、極めて低いと考えられた。良性glioma grade I, IIではRb2/p130の発現がみられたが、grade IVでは陰性であった。一方、p53は逆にgrade IVの方が陽性率は高かった。 グリオーマ株にp130遺伝子導入を機能解析 p130遺伝子発現U-87MGの作成 p130cDNAをBCMGSneoにサブクローンし、ついでこのBCMGSneo/p130をmalignant glioma cell lineであるU-87MGにLipofectAMINEを使用して導入、G418にてセレクションを実施、p130遺伝子発現U-87MGを作成することができた。 p130のoncogeneについて、6ヶ月にわたりplasmidを作製することに成功した。gene trasfectionの技術も取得しており、p130をu87MG細胞trasfectionすることも可能になった。 今後mutant glioma(LN-319)について悪性脳腫瘍の増殖を抑制できるかどうか、サイクリンの発現はどうか、などについて検討する段階になった。
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