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2002 年度 実績報告書

脳腫瘍に対する音響化学療法に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671478
研究機関福岡大学

研究代表者

福島 武雄  福岡大学, 医学部, 教授 (10078735)

研究分担者 継 仁  福岡大学, 医学部, 助手 (80279273)
山本 正昭  福岡大学, 医学部, 助教授 (80240125)
キーワード音響化学療法 / Rose Bengal / 血液脳関門(BBB) / EMstudy
研究概要

今回音響化学療法の抗腫瘍効果のメカニズムに関して、血液脳関門(BBB)に与える影響に着目し、電子顕微鏡による組織学的検討を行った。ウイスターラット脳に、確実に限局した破壊巣が形成される100W/cm2-5分と、破壊巣が軽微な100W/cm2-3分に設定し、音響化学物質としてローズベンガル10mg/kgを超音波照射5分前に投与した。超音波単独照射群は同量の生食塩水を投与し、コントロールとして超音波も照射せず、ローズベンガルも投与しないモデルも作成した。血液脳関門を評価するため超音波照射15分前に、2%エバンスブルー溶液2ml/kgを投与し、2.5%グルタール液で潅流固定し脳を摘出した。樹脂に包埋後、超薄切切片を作成し組織変化を走査型電子顕微鏡を用い検討した。超音波単独照射群では照射辺縁部は細胞の形態は保たれていたが、中心部では血管周囲の神経突起の膨化、毛細血管内皮内皮細胞の細胞質膨化、飲み込み小胞の増加がみられた。音響化学療法を行ったものは、照射辺縁でも中心でも血管周囲に変性した細胞がみられ、神経突起は膨化し、毛細血管内皮細胞の細胞質の膨化、ミトコンドリアの膨化、飲み込み小胞の増加、血管内皮細胞の細胞膜の断裂がみられた。これらの所見は照射中心においてより強い変化であった。今回の結果から、音響化学療法における血管透過性亢進は、細胞膜障害、飲み込み小胞の増加によることが明らかとなった。今回の結果より音響化学療法における血管透過性亢進は、tight junctionの離開ではなく、内皮細胞の細胞膜の断裂、飲み込み小胞の増加によることがあきらかとなった。音響化学療法を悪性神経膠腫の治療に応用することにより、直接腫瘍細胞破壊による抗腫瘍効果のみならず抗癌剤の組織進達度を上げる可能性が示唆され化学療法の有効性を高めることが期待される。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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