研究課題/領域番号 |
13671483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大津 進 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90312553)
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研究分担者 |
国分 正一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60186658)
伊藤 恒敏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004746)
大沼 正宏 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90344663)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 関節リウマチ / v-ATPase / 滑膜細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、リウマチの関節破壊に関与すると思われる関節滑膜細胞(RA-SF)における細胞膜表在型v-ATPaseの発現強度とvariant formの意義について調べることであった。変形性関節症滑膜(OA-SF)、RA-SF、弛みの生じた人工関節骨破壊部付近から採取した線維芽細胞(Prosthesis loosening fibroblast : PLF)で調べた。細胞膜表在型v-ATPase mRNAの発現はPLFにおいて最も強く、OA-SFの103倍であった。RA-SFでは2.6倍であった。Variant formmRNAはRA-SFで4.0倍、PLFで43.7倍であった。In situ hybridizationでは、滑膜線維芽細胞で細胞膜表在型v-ATPase mRNAが発現しているのが確認出来た。マクロファージや破骨細胞では発現されていなかった。RA-SFを使ったIL-1b、IL-6による刺激では、細胞膜表在型v-ATPase mRNAの発現は変化しなかったが、cisplatin刺激と酸性に調節した培養液による刺激では細胞膜表在型v-ATPase mRNAの発現が増強した。Cisplatinでは3.51倍に、pH6培養液では3.3倍、pH5培養液では415倍にmRNAが増加した。Exon 10 spliced variantはいずれの有意な刺激でも変化を示さなかった。以上の結果から、滑膜線維芽細胞は細胞膜表在型v-ATPaseを発現しており、RAそして特にPLFにおいて細胞外への酸放出を行い骨吸収に関わっている可能性が考えられた。この細胞膜表在型v-ATPaseの調節は炎症性サイトカインではなく、細胞周囲の酸性環境が発現を調節している可能性が示唆された。
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