研究概要 |
ラットの高骨量モデルを作成し、腰椎骨量をDXA装置を用い、脊柱管径と脊柱管内骨面のリモデリングを組織学的骨形態計測法を用い分析した。 40匹の雌Wister Ratをbasal control群、sham群、卵巣摘出群、卵巣摘出+PTH群(10μg/Kg,週3回投与)に分け、24週投与し屠殺した。 腰椎骨量は24週の時点でsham群:152±6mg/cm^2、卵巣摘出群:155±5mg/cm^2卵巣摘出+PTH群:188±7mg/cm^2卵巣摘出+PTH群は卵巣摘出群に比べ有意に高値であった(p<0.01、Dunnett'test)。 脊椎脊柱管径はbasal群:6.3±1.1mm^2、sham群:7.0±1.8mm^2、卵巣摘出群:6.4±1.5mm^2、卵巣摘出+PTH群:6.3±1.0mm^2で各群間で明らかな差を認めなかった。 脊柱管内骨面の骨形成率は、basal群:3.8±0.9(×10^<-2>μm^3/μm^2per day)、sham群:2.5±0.9(×10^<-2>μm^3/μm^2per day)、卵巣摘出群:2.1±1.0(×10^<-2>μm^3/μm^2per day)、卵巣摘出+PTH群:3.6±1.2(×10^<-2>μm^3/μm^2per day)で明らかな差を認めなかった。骨石灰1化速度もbasal群:0.64±0.07μm/day、sham群:0.48±0.13μm/day、卵巣摘出群:0.35±0.15μm/day、卵巣摘出+PTH群:0.55±0.18μm/dayで明らかな差を認めなかった。 以上の結果から、上皮小体ホルモン投与により、脊椎の骨量は有意に増加したが、脊柱管管腔径と内骨面の骨形成には明らかな影響は及ぼさなかった。したがって、顕著な骨量増加作用を持つ上皮小体ホルモンの投与により、脊柱管狭窄症のような病態(副作用)を呈する可能性は非常に少ないと考えられた。
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