1.変形性関節症と軟骨下骨の関連についての実験 自然発症変形性関節症(以下OA)モデルであるギニアピッグのHartley系は3カ月令時にOAを発症し、Weiser-Maple系は15カ月〜30カ月で変形性関節症を発症する。そこで今回、自然発症変形性関節症(以下OA)モデルである上記の2種類の雌ギニアピッグ(Hartley系とWeiser-Maple系)を用いて、関節軟骨と軟骨下骨の変化を比較した。 (1)軟骨の変化:Hartley系は4カ月令でtangenitial zoneで軟骨細胞の減少(Mankin score2)を生じていたが、Weiser-Maple系の軟骨細胞は減少していなかった。 (2)Hartley系はWeiser-Maple系と比較して、2カ月令では軟骨下骨が薄く、骨代謝回転(骨標識面の増加・吸収窩の増加など)が高値であった。しかし、12カ月令では、Hartley系の軟骨下骨は約10倍厚くなっていたのに対して、Weiser-Maple系の軟骨下骨は約2倍厚くなっていた。 2.変形性関節症に対する女性ホルモンの影響 ギニアピッグHartley系3カ月令時をsham-ope群(N=10)と卵巣摘出群(N-10)に分け、7カ月令時に屠殺し、膝関節を摘出した。 両群間で軟骨厚は差を認めなかった。軟骨下骨では、卵巣摘出群では、骨代謝回転(骨標識面の増加・吸収窩の増加など)が冗進し、海綿骨骨量、骨梁数が有意に減少していたが、海綿骨と皮質骨を合計した全骨量では両群間に差を認めなかった。 結論:変形性関節症発症とその進展には軟骨下骨の骨代謝回転や微少構造が影響していると結論した。
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