研究課題/領域番号 |
13671514
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
村松 慶一 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (10322249)
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研究分担者 |
重冨 充則 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (30284251)
河合 伸也 山口大学, 医学部, 教授 (70034965)
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キーワード | 四肢移植 / FK506 / Microchimerism |
研究概要 |
平成13年7月からラットを用いた移植手術を開始した。実験動物として、donorは雄DArat (MHC expression, RT1a)、recipientは雌Lewis rat(RT11)を用いている。実験モデルは、現在は右後肢移植モデルを作成している。四肢移植モデルについて、皮膚は下腿中央部で円周上に切開、その他の構成部は大腿骨中央部で切断する。recipientに作成した同様の右後肢欠損部に移植片を挿入、大腿骨はキルシュナー鋼線で固定、坐骨神経、大腿動静脈を手術用顕微鏡で神経血管吻合、筋肉、皮膚を縫合する。免疫抑制剤はFK506(Prograf)を使用し、その投与量は0.5mg/kg/dayである。実験群として、Lewis rat間の移植である同系移植、DAからLewisへの同種移植群の2群を作成した。現在既に同系移植群は50移植手術が、同種移植群も40移植手術が終了し、術後合併症がなかった約80recipientを観察中である。移植肢の評価法は、1)拒絶判定2)軟x線撮影、血管造影3)移植肢の機能評価、を行っている。観察期間は移植後1年の長期を予定しているので、動物の屠殺はまだ行っておらずrecipient内の脾臓、胸腺、肝臓、リンパ節におけるMicrochimerismの判定、組織診断、Sry probeを用いたchromozome painting In situ hybridizationは平成14年度に行う事としている。これまでの結果では、雄から雌への同系移植群は移植肢の拒絶は移植後3ヶ月まで生じておらず、皮膚移植で生じるいわゆる"Eichwald Rejection"は四肢移植では生じない事実を得た。同種移植群はFK506の投与で拒絶は完全に抑制され、移植後4週で大腿骨接合部での骨癒合が得られ、機能評価でもほぽ正常の70%くらいの回復が得られる事が判明した。
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