研究課題/領域番号 |
13671528
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
竹内 良平 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30236442)
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研究分担者 |
白鳥 正樹 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60017986)
森下 信 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80166404)
斎藤 知行 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30170517)
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キーワード | 人工足関節 / 統計学的最適化 / 3次元有限要素解析 / 変形性足関節症 / 扁平足 / ルースニング / 関節リウマチ / 応力 |
研究概要 |
昨年度、我々は下肢2次元モデルを作成して人工足関節の脛骨コンポーネントに生じる応力分布の解析と、統計学的最適化手法を用いたコンポーネントの設計を行った。今回は、下肢3次元モデルを用いて足部の3次元的挙動が人工足関節周辺部の応力状態に及ぼす影響を検証した。モデルは接点数17947、要素数14081の3次元ソリッド要素を用いた。解析は片脚立位を想定し、静的解析とした。骨は皮質骨と海綿骨を、関節には軟骨を、また関節周囲には非圧縮ビーム要素で靭帯を設定した。上下コンポーネントはセラミックス、関節面には高密度ポリエチレンとした。全ての材料は等方弾性体として扱った。荷重条件は大腿骨骨頭中心に1000Nの集中荷重を与えた。解析コードにはABAQUSを使用した。2次元解析結果と同様に3次元解析においても立位FTA(脛骨軸と大腿骨軸とのなす外側角)が大きくなる(176°を正常と仮定し、FTAが180°、184°となった場合)脛骨コンポーネント突起上面に応力の集中が見られた。基本的な応力分布の傾向は一致していた。変形性足関節症や関節リウマチ患者の足部には偏平足が見られることが多い。偏平足では足部の縦,横のアーチが消失し、足関節に生じる荷重応力の適正な吸収ができないと考えられる。そして人工足関節置換後に偏平足がルースニングの一因となることも否定できない。そこで足部の縦のアーチが人工足関節に及ぼす影響について解析した。踵骨前方の突起かた距骨後方の突起にかけてバネ要素を設置し、バネ定数を75N/mmに設定した。バネ定数を変化させることで足部の形状を変化させることが可能である。その結果バネ定数を大きくするに従って(バネ定数を大きくことはアーチの伸縮性が低下することを意味し、偏平足を表現している)、脛骨コンポーネント突起上面に応力が集中することがわかった。
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