研究概要 |
1)ラット骨肉腫COS1NR, COS4NRおよび悪性線維性組織球腫MFH1NR, MFH2NR細胞に対するtyrosine kinase inhibitor STI571の増殖抑制効果について検討した。いずれの細胞株に対しても、濃度・時間依存性に増殖抑制効果が認められた。抑制率は、10μM・72時間処置で骨肉腫が15-22%にとどまったのに対し、MFHでは36-40%の抑制効果を認めた。関連するtyrosine kinaseの発現を検索したところ、PDGFRαの発現がMFHで有意に高かったのに比しPDGFRβ発現は同等に認め、c-kit発現はいずれにおいても認められなかった。 2)ラット骨肉腫COS1NR, COS2NR, C0S4NRおよび悪性線維性組織球腫MFH1NR, MFH2NR細胞におけるP16,CDK4,cyclin D1の発現を検索した。P16は、MFH細胞に強く発現を認めたのに対し、CDK4,cyclin D1は、同等に発現を認めた。 3)これらの細胞におけるp16の発現の相違を検討するため、promoter regionのmethylation statusについて検索した。その結果、骨肉腫ではpartial methylation、MFHではhypomethylationであることが、methylation specific PCRおよびbisulfite sequencingによって確認された。
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