研究課題/領域番号 |
13671545
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
龍 順之助 日本大学, 医学部, 教授 (30096854)
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研究分担者 |
西郷 嘉一郎 日本大学, 医学部, 助手 (00339318)
相部 和士 日本大学, 医学部, 助手 (60318392)
福島 一雅 日本大学, 医学部, 助手 (40328737)
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キーワード | chondrocyte / proteoglycan / TGF-β / bFGF / IL-1α / growth factor / collagen / Cryopreservation |
研究概要 |
凍結保存した軟骨細胞の成長因子に対する反応への影響について研究した。軟骨細胞を凍結期間を変えて保存し、解凍後の軟骨細胞に各種成長因子を添加しproteoglycan(PG)とcollagenの合成能を測定した。生後2ヶ月の幼若雌豚の四肢より軟骨細胞を採取し、collagenase Iを含有した10%FBS、modiffied-Ham'sF12で培養し、軟骨細胞を分離した。軟骨細胞に10%DMSOを加え4℃で30分、-20℃で2時間、-80℃で24時間保存した後、-196℃で凍結保存した。保存期間は0日、2週、4週、8週とし、冷凍せずに無添加で培養したものをコントロールとした。それぞれの軟骨細胞を解凍後に各種成長因子(TGF-β、bFGF、IGF-I、IL-1α)をそれぞれ添加した。PGの合成の指標として^<35>S-sulfateを、collagenの合性能の指標として^3H-prolinを加え培養し液体scintilation counterにて^<35>S、^3H-prolinのup takeを測定した。(1)無添加群において解凍後のPGの合成能およびcollagenの合性能は低下した。(2)無添加群において凍結期間による各合成能の差は認めなかった。(3)bFGFおよびIGF-I添加群は無添加群と比べすべての凍結保存期間においてPGの合成能およびcollagenの合性能は増加した。(4)TGF-β添加群は各合成能に影響を与えなかった。(5)IL-1添加群は各合性能を低下させた。以上より凍結保存し、解凍した軟骨細胞においてもTGF-β、bFGF、IGF-I、IL-1αに対する反応性は維持されていることが示唆された。今後この情報を元に凍結により軟骨細胞に与える影響をRT-PCR法による各種サイトカインのmRNAの発現の変化、ウエスタンプロット法による蛋白発現、insitu PCR法による軟骨細胞内のmRNAの発現について解析を行う予定である。
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