研究分担者 |
石井 隆雄 日本大学, 医学部, 助手 (40277447)
西郷 嘉一郎 日本大学, 医学部, 助手 (00339318)
坂本 雅光 日本大学, 医学部, 助手 (40409016)
森 聖 日本大学, 医学部, 助手 (80386028)
工藤 太郎 日本大学, 医学部, 助手 (50386041)
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研究概要 |
変形性関節症における欠損した関節軟骨に軟骨細胞を移植し修復するために、凍結した関節軟骨細胞にっいて基礎的実験を行った。 実験1.実験動物の軟骨細胞による検討 幼若雌豚より採取した軟骨細胞を分離し、-196℃で凍結保存した。保存期間による生存率、proteoglican (PG)合成能、collagen合成能にっいて、さらに各種成長因子を添加して検討した。その結果、(1)凍結軟骨細胞の生存率は、凍結保存期間2週までは90%、12週までは80%であった。(2)凍結軟骨細胞のPG及びcollagen合成能は無凍結軟骨細胞に比し、2,4,8,12週の凍結期間において有意差を認めなかった。(3)各種成長因子(TGF-β、IGF-1、b FGF)によるPG, collagenの合成能の促進は12週の長期凍結軟骨細胞においても維持されていた。 実験2.人関節軟骨細胞による検討 患者の了解を得て、大腿骨頸部骨折手術時に採取した大腿骨頭の軟骨を採取し上記の方法で経時的に凍結軟骨細胞の細胞活性、基質合成能、各種成長因子に対する反応を検討した。その結果、(1)凍結軟骨細胞の生存率は、凍結保存期間2週で82.7%、4週で80.7%、8週で78.2%であった。(2)凍結軟骨細胞のPG及びcollagen合成能は無凍結軟骨細胞に比し、2〜8週までの凍結期間においては有意差を認めなかった。(3)各種成長因子(TGF-β、IGF-1、b FGF)によるPG, collagenの合成能の促進は8週の凍結期間の軟骨細胞でも維持された。 以上、実験1,2より、凍結保存期間8〜12週においても軟骨細胞は80%が生存し、PG, collagen合成は保たれており、成長因子にも反応することから凍結軟骨細胞は移植として使用可能と判定した。今後、軟骨欠損のあるOAモデルを作成し、欠損部に細胞移植を行う予定である。
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