研究概要 |
1)ヒトおよびラットの半月板細胞、骨髄由来未分化幹細胞初代培養 術前に文書にて承諾を得た患者で、修復不能な損傷にて切除を余儀なくされた半月組織より,または腸骨,脛骨より骨髄血を採取し,細胞を分離し初代半月細胞または骨髄由来未分化幹細胞培養を行った.ラットより骨髄由来未分化幹細胞を得た.これらの細胞につき、細胞生物学的に解析を行った。ヒトおよびラット半月板細胞は、細胞外基質である線維性コラーゲン(I型、II型、III型)とともに軟骨型プロテオグリカンの遺伝子発現を認め、マトリックス産生を行っていることが明らかとなった。 2)コラーゲン細胞支持体を用いた組織培養 初代培養細胞をコラーゲンゲルを用いた浮遊細胞培養液を用いウシ真皮由来I型コラーゲンよりなる細胞支持体のスポンジ状ディスクに播種し,組織培養を行った.1週間培養後の細胞は、コラーゲンscaffoldに接着し、さらに、細胞外にマトリックスを産生していることが観察された。 3)繰り返し圧縮刺激 コラーゲン担体内のヒト骨髄由来間葉系細胞を、繰返し荷重刺激装置にて0.05Mpaまたは0.1Mpaの垂直荷重を0.1Hz、1日1時間連続負荷した群、1分間刺激し5分間刺激しない問歇的負荷群で、1週間培養した.3次元培養1週間後に回収した細胞から抽出したDNA量は、0.05Mpa、0.1Mpaの連続負荷群では、それぞれ、減少し、0.05Mpaの間歇的負荷群では、不変であり,3次元培養下で間歇的な垂直荷重の力学的刺激に応答し、刺激条件によって培養細胞DNA量が大きく変わり、至適な力学的刺激条件が存在することが明かとなった。
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