研究概要 |
1)ヒトおよびラットの半月板細胞,骨髄由来未分化幹細胞初代培養 術前に文書にて承諾を得た患者で、修復不能な損傷にて切除を余儀なくされた半月組織より細胞を分離し初代培養を行った.また,腸骨または脛骨より骨髄血を採取し,初代培養を行い骨髄由来未分化幹細胞を得た.さらに,実験に用いるためラットより骨髄由来未分化幹細胞を得た.これらの細胞につき,細胞生物学的に解析を行った。その結果、ヒトおよびラット半月板細胞は、細胞外基質である線維性コラーゲン(I型、II型、III型)とともに軟骨型プロテオグリカンの遺伝子発現を認め、マトリックス産生を行っていることが明らかとなった。 2)コラーゲン細胞支持体を用いた組織培養 得られた初代培養細胞をウシ真皮より抽出した.I型コラーゲンのテロペプタイドを除去したアテロコラーゲンよりなる細胞支持体のスポンジ状ディスクを作成した。このコラーゲンスポンジの光学顕微鏡、および電子顕微鏡観察により、細胞を導入できるポアをもち、コラーゲンの架橋により、力学的支持体として、つまりscaffoldとして機能することが考えられた。1)で作成したヒトおよびラットの半月板細胞,骨髄由来未分化幹細胞初代培養細胞を播種し,培養皿にて組織培養を行った.3次元培養を行うため、コラーゲンゲルを用いた浮遊細胞培養液を作成し、コラーゲンスポンジに注入した。1週間培養後の細胞は、コラーゲンscaffoldに接着し、さらに、細胞外にマトリックスを産生していることが観察された。 3)繰り返し圧縮刺激 培養組織を,インキュベーターの中で0.025-0.1MPaの圧縮力、または一定のストレインで繰り返し刺激を行い刺激条件による培養組織の試料を作製した。
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