研究概要 |
・サンプルの収集 平成13年度、及びそれ以前の蓄積分を含めて50例〜80例の症例の報告があり、肺胞洗浄液や、血液サンプルの採取承諾を得られた患者の検体を収集した。又その他に、2次性肺胞蛋白症患者、健常ボランティアからのサンプルも採取した。 ・特発性肺胞蛋白症患者における抗GM-CSF自己抗体の定量 特発性肺胞蛋白症(IPAP)患者血清25例、健常ボランティア血清32例、および他の肺疾患患者血清34例を用いて、Sandwich ELISA法を用いた抗GM-CSF自己抗体価を測定した結果、抗体価の平均値が、IPAPは91.0±62.2μg/mlであるのに対し、健常ボランティア、他の肺疾患患者の抗体価は3μg/ml以下であった。この測定法のspecificityの高さを確認し、血清学的診断法として有効であることが証明された。 ・特発性肺胞蛋白症患者の病勢の指標となるパラメータの検定 特発性肺胞蛋白症患者25例、二次性肺胞蛋白症患者6例、健常コントロール6例につき、血液ガスデータや、自己抗体濃度、および各種血清サイトカインの濃度をELISA法を用いて測定した。その結果、KL6(MUC-1mucin), SP-D, SP-A, MCP-1,CEAが、PAP患者では上昇していた。その中で、血清中KL-6,MCP-1,CEAが、肺胞-動脈血酸素濃度解離(AaDO2)と良く相関(P<0.05)しており、またKL-6,CEAが、自覚的呼吸困難と良く相関する一酸化炭素拡散能(%DLCO)と有意に相関する(P<0.05)ことが明らかとなった。
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