研究概要 |
平成13年度には,坐骨神経傷害によるニューロパシックペインおよび神経原性骨関節病変の発生を標準マウスにおいて行動学的および免疫組織化学的に確認し,マウスに置ける神経原性骨関節病変のモデルを確立することを目標とした.坐骨神経障害によるニューロパシックペインモデルは,標準マウス(C57BL/6)25グラムを用いて,坐骨神経障害モデルの作成を試みた.ラットの10分の1のサイズであるため,新規に購入した長焦点実態顕微鏡で手術を行っているが,手術成績がやや不安定である.このため当初は予定しなかったが,ラットを用いた坐骨神経障害モデルの手技の確認と組織化学用の基礎的検討を追加して行っている.Bennettの坐骨神経結紮法以外にSeltzerの方法や坐骨神経の部分的切断によるモデルを作成し,さらに安定したモデルの確立が必要な状況である.また新規に購入した熱刺激装置を用いて,下肢逃避反応潜時を手術後1,2,4週後に測定しているが,マウスの頻回の移動に伴い静止時の測定が困難でデータにばらつきがあるため,特殊なマウス用箱を作成し,下肢逃避反応潜時の測定に関する安定性を検討している.一方,免疫組織化学的変化のための組織還流法,ABC法による免疫組織化学法の基礎的検討を行っている.組織還流固定法,切片の作成法についても引き続き検討が必要な状況である.なお免疫組織化学的検討の一次抗体として,ED-1,PGP9.5,TNFα,IL-1β,DBHに対する抗体を購入,その基礎的データを収集している.
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