研究課題/領域番号 |
13671603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
竹内 昭憲 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50254305)
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研究分担者 |
浅井 清文 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70212462)
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90264738)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 脳浮腫 / アクアポリン / アストロサイト / 中枢神経 / 培養細胞 / 脳損傷 |
研究概要 |
本研究は、水チャネルであるアクアポリン(AQP)の生理機能を解明し、さらに脳浮腫の発症に果たすAQPの機能の解析を目的とした。まず、中枢神経におけるAQPの発現を詳細に検討した結果、脳には多種類のAQPが発現していることが分かった。なかでも、脳浮腫に関与するアストロサイト(Ast)には、AQP3、AQP4、AQP5、AQP8、AQP9と多種類が発現しており、水の移動だけでなく多機能を有している可能性が示唆された。次に、生理的状態におけるAQPの発現調節機構を調べたところ、PKA、PKC、p38MAPKなどの細胞内情報伝達系により複雑に調節されていることが分かってきた。また、AQP蛋白発現後の膜への移送や移動に係わる分子をいくつか見出したが、これについては今後の検討を要する。さらには、低酸素によりAstにおけるAQPの発現が増強することがわかり、脳浮腫の発症や進行に何らかの機能を果たしていることが分かった。このことは、脳が損傷を受けた際に、AQPの機能を調節することにより、脳浮腫が軽減できる可能性があると考えられた。生理的な状態におけるAQP調節機構をさらに詳しく解明できれば、AQP機能の調節は可能になると考える。 本研究により、生理的あるいは病的状態におけるAQPの機能がある程度解明できた。この成果は、AQPをターゲットとした新しい脳浮腫治療薬の開発への手掛かりとなる。
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