研究課題/領域番号 |
13671617
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
上園 晶一 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10291676)
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研究分担者 |
原 芳樹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10208663)
野村 実 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80167577)
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キーワード | 肺高血圧症 / モノクロタリン / アンチセンス / NF-κB / マウス / ラット |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)片肺摘出とモノクロタリン(MCT)を組み合わせることで、原発性肺高血圧症の病態に類似する、高度の肺高血圧症を有する動物モデルを確立すること、(2)このモデルを用い、転写因子であるNF-κBのアンチセンスオリゴを投与することで、肺高血圧症の進展を防止することができるかを検証すること、である。研究の1年目にあたる今年度で、上記(1)の目的をほぼ達成した。新たに得られた知見は以下のようにまとめられる。 1.マウスにおいては、モノクロタリン単独投与では、肺高血圧症を生じない。 一方、ラットにおいては、モノクロタリン60mg/kgを皮下注すると、4週間ほどで、マイルドな肺高血圧症を生じる。 2.マウス(20g程度)とラット(50gから300g)で、片肺摘出術を行い、ほぼ100%の生存率を得られる技術を確立した。片肺手術のみでは、肺高血圧症はほとんど進行しない。 3.ラットにおいて、片肺摘出術後1週間後に、MCTを投与すると、4週間後に高度の肺高血圧症を生じる。平均肺動脈圧は、18±1mmHgから42±3mmHg(N=4)に上昇した。マウスについては、現在実験中であり、結果は明らかになっていない。 以上の知見から、この肺高血圧症モデルを用いて、アンチセンスによる治療効果の判定という上記目的(2)の検証は十分可能な段階にあると考える。
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