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2001 年度 実績報告書

CRFの鎮痛作用の解明―ノックアウトマウスを用いた解析―

研究課題

研究課題/領域番号 13671619
研究機関日本医科大学

研究代表者

今城 俊浩  日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (50183190)

研究分担者 宮田 麻理子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70281631)
坂本 篤裕  日本医科大学, 医学部, 助教授 (30196084)
キーワードCorticotropin-releasing factor / ストレス性鎮痛作用 / 急性疼痛 / ノックアウトマウス / 副腎皮質ホルモン / 疼痛國値
研究概要

1.急性疼痛刺激に対する反応の解析
CRFKOマウス・野生型マウスを用いて、Hot plate test、Tail Flick test、Formalin testを行い、疼痛閾値を解析した。Hot plate testで、51℃、53℃、55℃と温度を変えてpaw withdrawal latency(後肢をなめるか、跳び上がるまでの時間)を測定したが、いずれの温度でも、CRFKOマウスと野生型マウスで潜時の変化は全く認められなかった。Tial-flick testで、Beamの強度を60、65、70に設定して、Tail-flick latency(尻尾を回避するまでの時間)を計測したが、やはりCRFKOマウスと野生型との間で潜時に差は見られなかった。一方、Formalin testでは、formalinを右後肢に注射後15分まで(第1相:直接の侵害刺激)の疼痛関連行動(注射部位をなめる、或いは右後肢を挙上する時間)は両群間で差は認められなかったが、25分から40分までの行動(第2相:炎症性疼痛、中枢性感作を反映)はCRFKOマウスで統計学的に有意に減少していた。以上の結果から、CRFKOマウスは、熱刺激やFormalinによる直接的な侵害刺激に対する疼痛閾値は変化しなかったが、炎症性の疼痛に対する閾値は明らかに上昇していた。従って、内因性のCRFは炎症性疼痛に促進的に作用する可能性が示唆された。CRFKOマウスでは副腎皮質ホルモンの分泌増加反応も減弱しているため、今後、副腎皮質ホルモンを補充したCRFKOマウスと野生型との比較、逆に副腎を摘出したマウスとCRFKOマウスとの比較を行い、副腎皮質ホルモンの関与を検討する必要がある。
2.ストレス性鎮痛作用(stress-induced analgesia)の解析
マウスに10分間の強制水泳ストレスをかけ、終了後5分、15分、30分でTail-flick test(beam65)を行った。5分、15分では、CRFKO・野生型マウスともに、ストレス前に比べてTail-flickの潜時は有意に延長し、ストレス性鎮痛作用が認められた。CRFKOマウスは、野生型に比較して5分での潜時は延長傾向はあったものの、両群で統計学的な有意差は認められなかった。また、30分間の拘束ストレス後に同様の実験を行ったところ、Tail-flickの潜時はCRFKO・野生型マウスともにストレス前に比べて有意に延長した。ストレス直後と10分後では、CRFKOマウスのほうが、野生型に比べて潜時は延長していたが、統計学的に有意ではなかった。従って、CRFKOマウスではストレス性鎮痛作用が増強している傾向があり、内因性のCRFはストレス性鎮痛に抑制的に作用している可能性が示唆された。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2013-12-04  

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