研究課題/領域番号 |
13671623
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
切通 雅也 関西医科大学, 医学部, 助手 (10330185)
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研究分担者 |
小宮山 豊 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140264)
中谷 壽男 関西医科大学, 医学部, 教授 (70188978)
新谷 裕 関西医科大学, 医学部, 助手 (90309229)
高橋 伯夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (80094431)
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キーワード | アセトアミノフェン / Nアセチルシステイン / Nアセチルベンゾキノンイミン / 中毒 / HPLC / LCMS |
研究概要 |
アセトアミノフェン(APAP)中毒患者は、治療法としてのN-acetyl-L-cysteine (NAC)療法が注目されている。APAP中毒の作用機構はすでに解明されつつあり、APAP有毒中間代謝産物、N-acetyl-p-benzoquinone imine(NAPQI)が生体内の活性SH化合物、還元型91utathione (GSH)が枯渇すると肝臓の種々のたんぱく質と不可逆的な結合を起こすことにより毒性を発生すると考えられている。しかし、本療法に関する検査医学的マーカー、すなわちNAPQIの消長を判断するマーカーあるいはNACがNAPQIの毒性を中和していることを示すマーカーについては全く研究が進んでいないのが現状である。 我々はNACもGSHと同様の活性SHを有する化合物であることに注目しNAPQIとNACを混合した後、LC/MSで検出を試みたところ、その質量分析シグナルを捕らえることに成功した。ELISA法により患者血中でのNAC-APAPやGS-APAPの動態と中毒について解析したい。このように、後しばらくの研究の積み重ねで本研究が完成すること、および本抗体の特許申請との兼ね合いがあるため、今回は測定方法についての報告は中間報告に留めたい。 症例が搬入された際には、搬入時の血液、拮抗剤投与後、経時的に血液中の各成分の分析を行う。拮抗剤投与はムコフィリンを経管的に胃内に4時間毎に投与する。必要に応じ4時間毎にこの検査を繰り返す。また、多量服毒により血液浄化法を導入する際には、吸着カラムの前、後の血中濃度をも測定をもする予定にしており、若干例の検体を保管している。しかしながら、現時点では、症例が少なく、検体の集積が進んでいないのが現状である。
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