研究課題/領域番号 |
13671636
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
冨田 京一 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20272578)
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研究分担者 |
北村 唯一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (70010551)
有賀 誠司 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90322057)
堀江 重郎 杏林大学, 医学部附属病院, 助教授 (40190243)
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キーワード | 前立腺癌 / N-カドヘリン / カドヘリン-11 / 浸潤 / 転移 |
研究概要 |
前立腺癌におけるN-cadherinの発現を検討するために前立腺癌細胞株を用いた実験と臨床標本を用いた実験を行った。前立腺培養細胞株であるTsu-pr1株と胎児臍帯血管細胞株を同じスライドグラスで発育させた実験ではN-cadherinが両者の培養細胞株で発現し異なった細胞間でも、その発現が確認された。臨床標本を用いた実験では前立腺全摘標本を用いて、N-cadherinとcadherin-11およびE-cadherinの二重染色を行いそれぞれの発現を確認した。Gleason score 7以上の悪性度の高い症例では20例中11例にN-cadherinの発現がみられ、cadherin-11は20例中9例に細胞質に発現がみられた。これに対してGleason score 6以下の悪性度の低い症例ではN-cadherinとcadherin-11の発現は7例中2例にみられ、Gleason score 7以上の症例に比べ有意にそれぞれの発現が低下していた。また、N-cadherinとcadherin-11の発現が見られた症例はほとんどがE-cadherinの細胞膜の発現が低下していた。神経血管束に前立腺癌細胞が浸潤している部位では特に強くN-cadherinの発現が強く認められた。この所見はconfocal scanning laser microscopyを用いて明確に確認された。N-cadherinのアンチセンスをTsu-pr1株にトランスフェクションを行い形態ならびに発育を観察したが明らかな変化はなかった。
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