研究概要 |
長期実験がほぼ終了した。すなわち、ACl/Segの雄ラット(6週齢)を米国Harlan社より購入し、空調の整備された飼育室で管理した。これらを3群に分けて、基礎食、基礎食+1%コレステロール、基礎食+1%コレステロール+0.01%(100ppm)ラジカットのいずれかを含有する飼料を20週齢より投与した。途中経過を見るために、開始時の20週齢で5頭、40週齢と60週齢と80週齢で各群15頭ずつを屠殺した。屠殺時には、採血と前立腺の摘出を行った。前立腺の左葉は組織学的な検討を行い、癌または異型過形成の発生率を評価した。また、右葉の前立腺は溶媒で抽出し、血漿とあわせて酸化ストレスを測定した。酸化ストレスは、Vitamin C, Vitamin E, Uric acidの濃度,およびCoenzyme Qの酸化型/還元型の比で測定した。 80週齢の結果では、異型過形成の発生は、対照群では0%、高コレステロール群で27%、ラジカット群で7%であった。また、組織中のCoenzyme Qの酸化型/還元型の比は、対照群では14%、高コレステロール群で29%、ラジカット群で18%であった。Vitamin Cの濃度も、対照群では520nmol/g、高コレステロール群で48nmol/g、ラジカット群で380nmol/gであった。すなわち、高コレステロール食は前立腺内の酸化ストレスを上げ、発癌促進的に作用しており、それをラジカットが抑制していた。
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