研究概要 |
精巣腫瘍感受性遺伝子座としてX染色体の果たす意義を検討してきたが平成14年度までの研究で以下のことが明らかになった。精巣腫瘍X染色体においてはXISTの発現がみられるにも関わらずAR, FMR1, GPC3といったX-linked geneがメチル化を受けていないことが明らかとなり、精巣腫瘍で染色体付加の高頻度であるX染色体ではXISTの発現にも関わらず、Hypomethyltionで活性型Xであることを証明した(Kawakami et al., J Urol in press)。さらに精巣腫瘍でみられたX染色体の低メチル化状態が常染色体に及んでいる可能性を考え、癌で高頻度にみられる常染色体上のCpG islandのメチル化が見られないか否かを精巣胚細胞腫瘍(セミノーマ、非セミノーマ)と精巣悪性リンパ腫を用いて10の癌関連遺伝子のCpG island methylationのプロフィールを検討したところ体細胞由来の癌である悪性リンパ腫では比較的高頻度にaberrant methylationを認めたのとは対称的にセミノーマ、非セミノーマともにメチレーションは全く検出されなかった(Kawakami et al., Genes Chromorsome and Cancer, in press)。 さらに精巣腫瘍のメチル化プロフィールが圧倒的に低メチル化であることを利用して新たなDNAマーカーを作成し臨床応用への応用を試みている(投稿中)。
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