研究概要 |
膀胱癌における抗癌剤多剤耐性獲得機構におけるカベオリンの関与を解明するため、昨年度より引き続き、抗癌剤耐性を示す膀胱癌培養細胞株を用いてカベオリンならびに多剤耐性因子(MDR, MRP)の発現を蛋白ならびに遺伝子のレベルで検出し解析しカベオリンが抗癌剤耐性獲得を克服するための治療標的となるか否かを検討した。また前立腺癌細胞を対象にして同様の解析をお子なた。また抗癌治療に抵抗性、再発性を示した、膀胱癌臨床材料をもちいて組織内における、カベオリン、らびに多剤耐性因子(MDR, MRP)の発現を解析検討した。 その結果、1)膀胱癌人細胞株におけるアドリアマイシンに対する耐性獲得の経過におけるカベオリンの発現はMDRの発現と平行しているものの、MRPの発現とは連関していないことが明らかとなった。 2)前立腺癌においては特に明らかな傾向を認めなかった。 3)膀胱癌臨床検体における解析においては、発現に一定の傾向を認めず、臨床においてはカベオリンのみならず他の因子も耐性獲得に関与していることが示唆された。
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