研究概要 |
膀胱前立腺全摘術時に前立腺組織を5箇所5mm角採取し、採取した組織を3分割しH-E染色用、RNA抽出用、凍結保存用とした。このとき膀胱癌の浸潤、前立腺の偶発癌の有無に関してはH-E染色で病理診断した。1999年4月より2000年12月までの間に、前立腺癌あるいは膀胱癌の前立腺組織内浸潤を認めない組織は21症例から採取した合計102検体であった。 (1)方法 H-E染色にて採取組織内に炎症細胞の浸潤を認めた検体は全体の32.4%(33検体)であった。炎症細胞の浸潤を認めた33検体について、各種炎症細胞のうち代表的なものとして、CD20陽性細胞、CD45RO陽性細胞、CD68陽性細胞、CD79a陽性細胞、S-100陽性細胞を選択し、免疫組織染色を施行した。 (2)結果 33検体中、各種炎症細胞が存在した検体の割合はその陽性度(-,+,++)別に、CD20陽性細胞(42.4%,51.5%,6.0%)、CD45RO陽性細胞(18.2%,51.5%、30.3%)、CD68陽性細胞(30.3%,54.5%,15.2%)、CD79a陽性細胞(47.1%,52.9%,0%)、S-100陽性細胞(84.8%,15.2%,0%)であった。 (3)考案 以上の結果より前立腺組織内に浸潤している炎症細胞はTcell,マクロファージの順に有意であると考えられた。
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